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伊東悦代写真展開催

11月20~25日、銀座・奥野ビル3階の「巷房」(中央区銀座1-9-8)で写真展を開催します。タイトルは「交感する眼差し」。見ているつもりが見られている、そんな不思議な感覚を覚えるときがあります。そんなときにシャッターを押すと、自分と被写体が交感し合っているような気になります。眼差しは人や動物だけではなく、花やときには壁のシミのときも。それを楽しみながらぶらぶらしていると、普通の街中に面白いことはいくらでもあることに気づきます。そして、撮り続けることで、季節や街の移ろいが自然と映り込みます。

 

アップした写真は「あしたのジョー像」で有名な「いろは会商店街」にあった古い家屋の壁に描かれていた落書き。完成度も高く妖しい雰囲気が好きで、頻繁に通って変化していく様子を撮影しました。会場ではこの3年後の写真も並べて展示していますが、顔の一部は剥がれた状態に。そして、今はこの建物は壊され、新しいビルを建てるための工事中で、なんの面影もありません。

二人の人物の眼差しにそれを撮る私の視線が交差する。互いの眼差しがシンクロした時、空想と現実の狭間で、自分の中で新しい物語が始まります。

写真展は4年に一度やってきましたが、コロナのなどの関係で一年遅れで今年に。今後の4年を考えると・・・。ということで、今回は今まで撮ってきた写真の中で、自分の記憶に残る好きな写真をセレクト、30年前の写真もあります。今回一番大きくプリントしたのが、キャベツ畑で収穫する老夫婦と、そのリアカーに乗る孫の写真。くわえ煙草がとてもかっこいい男性がいたので、声をかけて写真を撮らせてもらったのですが、そのとき、リアカーに乗っていた3、4歳の女の子がこちらに向かって微笑んでくれました。すごく嬉しくて、シャッターを押しましたが、その写真が好きで、今回の写真展で一番に展示したいと思いました。大きくプリントして改めて気が付いたのですが、この子の手には鎌が握られています。ということは、彼女も手伝って収穫していたんだ。こんな小さい子が!

自分の影も映り、本当に眼差しが色々なところで交錯し交感していて、好きな写真です。改めて写真を撮ってきてよかったなと思います。

かわいい子供や犬やネコ、怖いネコ、とぼけた亀も登場します。是非、足を運んでいただけたらと思います。よろしくお願いします。


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コメント: 2
  • #1

    伊野弘美 (水曜日, 29 11月 2023 17:50)

    誰が何のために、ここに絵を?
    不思議だけど惹かれる雰囲気を持ってますね。
    姉がいろは会商店街のすぐ近くに住んでるんで、今度会った時聞いてみます。

  • #2

    深川 和郎 (月曜日, 08 1月 2024 09:36)

    今年もよろしくお願いいたします。
    昨年の写真展足を運べなくて残念でした。
    東京にいれば行けたのですが・・・
    昨年6月から単身で名古屋におりそれなりに生活を楽しんでおります。
    住んでいる所は大須観音という場所で浅草と上野と秋葉原が凝縮したような私にとっては居心地の良い所です。
    正月に東京に戻った時いろは商店街通りました。
    例の「壁画」は私も好きな場所でした。
    いつものように家のそばの千束神社と飛不動をお参りして今年は俳句が少しでも上手になるようスサノウ神社にも初詣に行きました。
    南千住から馴染みのカフェが混んでいたのでケーキを持ち帰りで頼んだ頃、今回の能登半島の震災のニュースを知りました。
    何だかとりとめのない話になってしまいましたが、今年も良い時間を過ごす同時に写真は詳しくないですが、その瞬間を記録に残し心に残す現代社会の最良の手段だと考えています。